仕事についての具体的なイメージを持ってから活動をすべき

まず言えることは、就職活動を始めるまで「働く」ということがあまりイメージできていませんでした。私がした就職活動と言えば、本が好きだから、というような理由で出版社を希望、名前を知る出版社を中心にエントリーシートや履歴書を送る、というようなものでした。

働く、ということがどういうことがしっかり理解せずに志望動機などを書いているので、読む人の目を引くようなことは当然書けず、書類の段階でほとんど落とされました(出版社を希望していたのに致命的でした)。最終的に「自分は向いていないんだな」ということがわかって出版社に就職することは諦めましたが、「出版社で何をしたかったのか」がはっきり言って全然わかっていませんでしたし、出版社にはどのような仕事があるのかも知識のないまま活動していたように思います。今就職活動をやり直せるのであれば、各職種の仕事内容をもっと調べることから始めたいです。「今やり直せるのであれば」ということで、本当に「現在」なのであれば、私が実際活動していた頃よりも情報の収集はしやすいでしょうし、苦労も少ないかと思います。その時代に戻って、ということであっても、足を使ってOB訪問のようなものをしたり、見学させてくれる企業があれば行ってみたり、ということをするべきでした。当時「持っている名刺の数が3000枚」というような学生の話が就職雑誌に載っていたような気がしますが、そういったことが本当に大切だと思いますし、その方はいい就職活動をしたに違いありません。

そして仕事の内容を理解するにあたって「実際に試験や面接を業種は絞るけど絞りすぎない」ということも重要だと思いました。私の例であげた出版社への就職というのは狭き門ですし、そこだけにこだわって活動をすると、私のように「全然ダメだ」とわかった時に大変に苦労します。できることならそこにこだわり過ぎず、興味の範囲を広げて色々な職種の面白いところを見つけて実際に接してみればよかったと思います。大学生にとってはどんな仕事であってもほぼ初めて接するもので、興味深い点があるものばかりだと思います。私は文系で「理系っぽい仕事はちょっとなあ」というようなことを思っていましたが、本当に後悔しています。そこに就職をしなくても色々なこと知れるチャンスで、そこで知ったことは他の会社を受ける時や、もっと言えば将来に役に立ったかもしれません。闇雲に何でもいい、と活動をする必要はありませんが、広い視野を持ってどん欲に仕事に対する知識を増やしていくべきだと今は思います。

そしてよく言われることですが「新聞を読むこと、ニュースを見ること」は大切だと思いました。私は新聞もニュースもあまりチェックをせずに面接に挑んだりしたので、話が膨らまないことが多く失敗も多かったです。一回、偶然新聞で読んだことに関する質問をされた時は自信満々で話ができたので、その面接には通りましたし、細かな面接対策ということ以上に、社会人になるにあたっての準備とも言えます。話の引き出しが多いほど面接では「人間の厚み」のようなものを見せることができますし、そういうものを吸収していくことで、自分が何に興味があるか、どのような仕事をしたいか、が見えてくると思います。

私は就職活動を舐めすぎていたと思います。大学も一応名の通ったところに通っていたので何とかなるだろうと思っていましたが、「名の通った大学」に通っている学生なんて数えきれないほどいますし、企業は本当に必要な人材を求めていると思います。友人には生き方そのものが厚みのある人(新聞を読んだりニュースを見ることは当たり前で就職活動に入らない、元々本もたくさん読み、色々な活動をしている人)は特に就職活動のための準備をしなくても企業を選んでやりたいことを話して合格、という感じだったように思えますので、普段からの過ごし方も大事だと思いました。大学にいる間は時間がありますが、具体的に仕事のことを考えるのは先延ばしにしがちです。今は就職活動も私が行っていた時期に比べると前倒しで、早いうちから活動を始めるんだと思いますが、就職のため、というより普段から色々なことに興味を持って人としての「厚み」をつくるべきだと、就職活動をかなり前に終えた私は振り返って思います。